骨粗鬆症

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症のイメージ写真

骨粗鬆症は、主に加齢が原因で骨が弱く脆くなり、骨折しやすくなる病気です。高年齢女性の患者が占める割合が高く、なかでも多くの女性が閉経を迎えるとされる更年期(45~55歳)以降の方が多く発症しています。

骨粗鬆症では、骨量もしくは骨密度の低下はゆっくり進行するので、初期から自覚症状を感じることはありません。そのまま病状が進み、さらに骨密度が少なくなると、骨の変形や骨折が起きた際に激しい痛みが伴います。このような状態になると動作を始める際や起床時に背中や腰が痛むようになり、寝返りや仰向けで寝るのも困難になっていきます。やがて痛みは治まるようになりますが、背骨は変形していき、後方に湾曲して丸くなったり、背が低くなったりといった症状も現れます。

なお、加齢以外でも無理なダイエットや運動不足などの不摂生な生活習慣、特定の病気(関節リウマチ、糖尿病、慢性腎臓病、動脈硬化など)や薬の副作用(ステロイド薬の長期服用など)もリスクとされています。

骨粗鬆症の治療

骨粗鬆症は、専門的な治療や適切な生活改善を行えば、骨密度の減少を改善し、骨折リスクを大幅に減少させることができます。つまり食事や運動といった生活習慣も大きく関係しているのです。
そのため「骨の生活習慣病」とも言われており、食事療法や運動療法もこの病気の予防と改善には欠かせません。なお、医師から骨粗鬆症の診断を受けた場合、薬物療法による治療が行われるようになります。それぞれの治療法は以下の通りです。

食事療法

カルシウムやたんぱく質といった骨の主成分、あるいは骨のリモデリング※に必要とされるビタミンD・Kなどの栄養素を積極的に摂取しながら、しかもバランスのとれた食生活を送ることを心がけます。
※リモデリング:骨を壊す働きをする破骨細胞が骨を吸収する一方で、骨をつくる働きをする骨芽細胞が、破骨細胞によって吸収された部分に新しい骨をつくる代謝作用。

運動療法

骨は体重の負荷をかけることで丈夫になりますが、強度の高い運動を行わないと効果がないということはありません。例えばウォーキングのような軽度の運動をするだけでも十分に有効なのです。ただ、このような運動は一時的なものではなく、長く継続することが重要です。

薬物療法

薬物療法は、骨粗鬆症の診断を受けてから開始することが多いです。主に骨の破壊を抑制する薬(ビスフォスフォネート製剤やSERMなど)や骨の材料を補う薬(カルシウム製剤や活性型ビタミンD3製剤など)などが、医師の判断により処方されます。

※ 私は内科医でありながら骨粗鬆症の勉強もしました。強く皆さんに訴えたいことは「最大の予防は転ばないこと」ということです。